はじめに
この記事は分かりやすい水泳の指導ポイント②~小学校低学年~「授業にあたっての留意点」の続きです。
⑤-3 少しずつ出来ることを増やしていく
ここでのポイントは、前述よりもさらに「水を意識させる」ことです。
水の中に入っているからこそ楽しいと思える簡単なことをしてもらって、水への恐怖感がなくなるようにします。
例えば、
・ワニ歩き(手をついて足を伸ばして手の力で前に進む)
・プールサイドにつかまって顔を水につける
・顔に水をつけるのを、壁から手を離して行う
・プールサイドに掴まった状態で身体を浮かせる
特に、プールサイドにつかまって顔を水につける行為は恐怖感を覚える子供もいます。その際は、指導する人間が手を握ってあげるなどして、肌を直接触れさせることで安心感を与えることが出来るように注意しましょう。
⑤-4 水中での活動頻度を保証するために、待ち時間があまりないようにする
これも水泳の授業においてはとても重要です。夏場しか行うことが出来ない水泳の授業では、なるべく多く水の中に入ってもらった方が、より効率的に水に慣れさせることが大切です。
そのため、グループやバディなどを組ませてお互いを見ながら、なるべく水に浸かっている時間が長くなるように工夫しましょう。
プールから一度上がってから、プールサイドでの説明が長かったりすると、子供たちの身体が冷えてしまって、腹痛や風邪などの体調不良に繋がる可能性もありますし、時間をあけてから再び水に入ると、最初の恐怖感が再び戻ってきていてうまく指導を次に進めることが出来なくなる可能性もあります。
⑤-5 学んだことをすぐに理解できるように、方法をあまり変えずに内容を変化させる
ここでは、水中で歩くことや、カニ歩きなどにバリエーションをつけることによって何度も同じ動きを繰り返させます。
例えば、
・電車歩き(複数人グループで前の人の肩を持ってみんなで一緒に歩く)で端から端まで移動する。(先頭の人間を交代していく)
・カニ歩きの向きを変えて移動出来るようにする
・電車歩きやカニ歩きのスピードを早くさせるようにする
・顔をつけるだけでなく、潜ることが出来るようにする
などです。
こうした細かいバリエーションを加えることによって、指導が単調にならずに子供たちが楽しく水に慣れ親しんでいくことが出来ます。
⑤-6 「できた!」と思って繰り返すことも大切なので、内容を変えてより習得率があがるように心がける
小学校低学年の子供たちにとって「できた!」と思う達成感などはとても大きな喜びです。
ですから、「できた!」という感覚を得ることができた動きにさらにバリエーションを加えてよりその動きの習得率が上がるようにしましょう。
例えば、
・潜った状態で目を開くことが出来るようにする
・潜った時にブクブクと泡が立つように息を吐かせる
・バディの手や股をくぐらせる
などです。
今までの動きをすれば行えて、なおかつ今後のゲームなどにも繋がるような動きを習得させるように意識しましょう。
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