はじめに
この記事は、分かりやすい水泳の指導ポイント③~小学校中学年~「連続したボビング」の続きです。
⑤蹴伸び
蹴伸びは、まさに「浮く運動」から「泳ぐ運動」へと変化していくための第一段階であり、水泳において最も重要な動きであると言うことが出来ます。
プロの水泳選手などになると、蹴伸びだけで25m進むことが出来たりもします。
この段階ではもちろんそこまでが目標ではありませんが、蹴伸びでスムーズに進むことが出来るように習得させましょう。
・蹴伸びのやりかた
膝を曲げて、その足を壁につけます。そして肩まで水に入り腕をまっすぐに伸ばしてスタートの準備をします。その後、頭を水に入れて両足でキックして進みます
・蹴伸びのポイント
蹴伸びをする際に注意するポイントはいくつかあります。
⑴壁をしっかりとキックすること
⑵頭を両腕の間に入れて、両腕が耳の後ろに来るようにセットすること
などが挙げられます。
顔を上げたり、後頭部が水から出てしまっていたりすると、姿勢が安定せずにまっすぐ綺麗に進めなかったりしますので注意しましょう。
また、蹴伸びの際に「上半身は綺麗に浮かんでいるけど、下半身が沈んでしまう」という状態がよく見られます。
これは、身体における重心の置き方が間違っているか、手が必要以上に上がってしまっている可能性があります。
そのときは、
・重心がおへそではなく、胸部のあたりであることを伝える
・手を下に下げて体全体のバランスを取る
といった対処をするようにします。
さらに、蹴伸びをする際には身体をピンと伸ばすことが非常に大切ですが、ピンと伸ばすことに意識をするあまり、身体に力が入ってしまうと上手く浮いてくれません。
これは、「伏し浮き」などで身体から力を抜いて浮くことをしっかりと確認した上で、蹴伸びのときにも身体に力が入らないようにしましょう。
また、最初はビート板を使った蹴伸びの練習も効果的ですが、このときにはビート板を横から握るのではなく、ビート板の上に手のひらを置いてビート板を使用するように注意しましょう。
クロールや平泳ぎなどを小学校高学年で習得する際にも、蹴伸びは必須となる項目ですので、繰り返し練習をするようにして、力が抜けてスーッと進む蹴伸びを習得させるように心がけましょう。
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