はじめに
どのような体育科の授業にも共通する事ですが、授業全体を取りまとめる際に必要となる基本的な観点は「直接的な技能」「態度・知識・思考」「今後の課題」となります。これら3つの基本的な観点から指導内容を総括する事により、学生は自己技能レベルと今後の課題について明確な認識に及べるのです。今回は卓球指導のまとめに関するお話を致しましょう。
直接的な技能
卓球は「球を打ち合う」というシンプルな競技性を持ちますが、その一方で各種の基本技能がゲームメイックに大きな影響を及ぼします。その基本技能とは「サーブ」「フォア」「バック」であり、更に細分化すると「プレースタイルの特性を適切に活かしているか」「基本姿勢に崩れがないか」「目線や打点のパフォーマンスを適切に維持できているか」といった要素が内在します。これらの基本技能は大まかな点ではプレイヤーである学生自身が理解していますが、細分化された要素の理解は曖昧です。指導者側がこれらの要素を実技テストの結果やワークシートの利用によって明示し、正しい自己分析をさせてあげましょう。
態度・知識・思考
授業に対して積極的かつ主体的に取り組みを行えていたか、安全に競技を行える体調を維持できていたか、自分の役割を認識して協力して授業に参加できたか、といったものが態度の評価点です。また、卓球における各種名称・内容・コツ等の基本知識の把握と自己分析および戦術の考察が適切に行われていたかという知識・思考の点も重要です。これらは可視化しにくい主観的な観点です。それまでの授業を通じて指導側が客観的にある程度の判断を下しておく必要があります。それを踏まえて、特別に教示が必要だと思う項目は時間をとって講義を行い、必要であれば学生同士の話し合いを展開させましょう。
今後の課題
上記の二項目が明確になれば、各人の課題点が自然と導かれます。サーブ・フォア・バックの安定化と強化にはどのようなトレーニングや方法が適切か。この具体的な改善点について、指導側は先述の分析と評価を踏まえつつ、適切な提示を行う必要があります。授業導入時に「シェークハンド ドライブ型」「シェークハンド カット型」「シェークハンド異質攻撃型」「ペンホルダー ドライブ型」「ペンホルダー 前陣速攻型」「ペンホルダー ショート型」という各種プレースタイルの特性にも触れていると思いますので、現在使っているものとは別のプレースタイルへの発展についても話しておくと良いかもしれません。
まとめ
以上が卓球授業のまとめに関するお話でした。直接的な技能と態度・知識・思考を確実に振り返り、今後の展開に繋げていきましょう。
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