1、はじめに
小学校、中学校、それぞれの現場で「ダンス」という授業が取り入れられてきましたが、高等学校となると 「即興的に表現する」ことが求められます。子ども達は中学高校を経てダンスの経験があるかもしれませんが、新任の先生となるとどのように指導してよいか分からないことも。今回はダンス未経験の先生でも、生徒たちと一緒に表現を磨いていける授業について考えてみました。
2、高校体育における創作ダンスの意義とは?
学習指導要領にはこのように書かれています。
「創作ダンスでは,表したいテーマにふさわしいイメージをとらえ,個や群で,対極の動きや空間の使い方で変化を付けて即興的に表現したり,イメージを強調した作品にまとめたりして踊ること。」
小学校中学校で基本的なステップを経て迎える、高校体育のダンスの授業では、
・動きや空間の使い方に変化を付けること
・思いつくままにとらえたイメージをすぐに動きに変えること
などの取り組みが重要となってきます。
とは言っても、表現するにはどのような取り組みが良いのかは分かりません!自分から表現を出すためには、どのような動きがあるのかを知ることからはじまります。
まずは生徒と一緒に、「ステップ」を覚えて演技に取り組む練習をしましょう!
3、ウォーミングアップも兼ねてEXダンス体操!
(https://www.youtube.com/watch?v=ENuB3qHCp0s)
【EXダンス体操とは】
準備運動変わりに初級者から上級者まで、子どもから大人まで体操をしながらダンスも楽しめるJPOPアーティストの「EXILE」が考案したオリジナルダンス体操です。現在このEXダンス体操はNHK-Eテレ「Eダンスアカデミー」内で紹介されていて22種類の動きで構成されています。ダンスの基本的な動きを取り入れており、手軽にダンスの基礎を学ぶことが出来るのため、授業前の準備運動や、簡単なステップを覚えて作品にいれるのにはうってつけです!
毎回ウォーミングアップに使っていけば、創作に困ったときにステップで表現できることを教えてあげられます。ステップを踏む癖がついているので、わざわざステップの練習に時間を割かなくてもいいのがGOOD!
(出典:http://exile.jp/exdance/profile.php)
4、身近な話題からストーリーを考える
「創作ダンス」に取り組むにあたり、
・音楽の決定
・ストーリーを立てる
・動きを考える
ことが必要になります。ということでストーリーを作る方法を考えましょう。
例えばお題が「カレーライスで食中毒」とします。
①コックさんが現れる
②野菜を切る
③鍋で煮込む
④お皿に乗せて食べたら、料理を作る前に手を洗っていなくて食中毒でお腹を壊す
このようなストーリーだとするなら、最終的に「手はきちんと洗いましょう!」というメッセージを伝えることができます。少し偏ったタイトルではありますが、“料理”など日々の生活からお題やメッセージを取れば、内容は膨らむばかりです。最近あった出来事などを参考にする、など生徒たちの世間話を聞くようにお題のアドバイスをしてあげましょう。
5、創作ダンスの大会動画を見てみる
簡単なステップが分かり、伝えたい内容が決まれば、あとはどのようにお題を表現するかを考える時間になります。動きながら見出すのはもちろんですが、普段動きに慣れていないとなかなかイメージも湧きにくいもの。全国では、創作ダンスの大会も行われているので、参考動画としていくつかご紹介したいと思います。
▼全日本高校・大学ダンスフェスティバル2012
神奈川県の座間高校の作品です。「背骨のRoots」がテーマとなっており、恐竜時代からどのような変化を経て現在の背骨があるのかを表現しています。
(https://www.youtube.com/watch?v=NiBKoJpAFmo)
▼全日本高校・大学ダンスフェスティバル2016
こちらは大学生の演技。愛知県の中京大学です。制服や学校にあるアイテムを衣装として使うとより世界観を出しやすいですね。
(https://www.youtube.com/watch?v=E2Gnk6aiG_Y)
6、おわりに
「創作ダンス」と聞くと、何だかアイディアばかり出さなくてはならなくて難しそう…という印象ですが、日常生活で生徒同士が話しているネタをお題に出来る!と考えると、少し見方が変わってきそうですね。動画サイトYOUTUBEには、創作ダンスの大会や授業の様子も多く掲載されていますのでぜひ参考にしてみてください。
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