1,はじめに
「体ほぐし」の運動と言われると、ストレッチや準備運動というイメージが強いですが、具体的に怪我防止以外の目的がイメージしづらいように思います。今日は体ほぐしの運動にあたり、そのルーツから目的を含めまとめてみました。
2,体ほぐし運動の指導にあたって
学習指要領の目標「心と体を一体としてとらえ,適切な運動の経験と健康・ 安全についての理解を通して,運動に親しむ資質や能力を育てるとともに,健康の保持増進 と体力の向上を図り,楽しく明るい生活を営む態度を育てる」と,運動領域の内容「体つく りの運動」を受けて設定されたのが「体ほぐし運動」です。新学習指要領において「体つくりの運動」が新しく加えられました。
★体ほぐしのルーツ
この運動が生まれた背景には,日常生活における運動遊びなどの減少,子供 たちのストレスの増大,生育環境の変化などが挙げられます。急激な社会変化に伴い,子供たち は「他者とうまく関われない 「運動の体験が乏しい」などにより「内に多くのストレスを 」 抱え固く閉ざした心と体をどう解きほぐし開いていけばよいのか」という課題を取り上げています。
従来の「体力を高める運動」に「体ほぐしの運動」が加わり,総称が「体つくりの運 動」となり,体育科の目標に掲げられた「心と体の一体化としてとらえ」の精神を直接受け た内容が「体ほぐしの運動」です。
★体ほぐしのねらい
体ほぐしのねらいは、
・「体への気付き」
・「体の調整
・「仲間との交流」
の3つが挙げられ、特に「仲間との交流」は,友達との体の 触れ合いやかかわり合いを通して、心身のこわばりをほぐすという意味で,すべての活動に かかわる重要な要因でもあります。つまり「体ほぐし」は 「心ほぐし」でもあり 「人間関係ほぐし」とも言えます。
3,体ほぐしを行うにあたる5つの視点
①「児童にとって易しい運動」
手軽にできる運動であること。
②「児童にとって優しい人間関係を体験できる運動」
└ 仲間とのかかわりやふれあいによって体験できる運動であること。
③「児童にとって新たな発見や気付きがある運動」
└わくわくするような体の感覚への発見や気付きがある運動であること。
④「リズミカルな弾む動き,スリリングな動きゲームなど動的な運動」
└様々な身のこなしや体の感覚を持っている運動であること。
⑤「力を抜くこと,力を出すことの加減がわかる運動」
└力を出すための使い方や運動の心地よさがわかるような運動であること。
簡単かつ、リラックスできる環境づくりが重要ということですね。
4,教材化のために必要なこと
体ほぐしの運動の行い方は、
A のびのびとした運動で用具などを用いた運動を行う。
B リズムに乗った体操など心が弾むような動作で運動を行う。
C お互いの体に気付き合うようペアでストレッチングを行う。
D いろいろな動作でウオーキングやジョギングを行う。
などです。互いを通じてどのように感じたかを考えられるように、振り返りシートなどの教材や、音楽の利用としてCDラジカセ・CD・タンバリンなどを用意するとより、伸び伸びとした時間が過ごせると思います。
5,まとめ
ゴール型競技やボール型競技とはことなる、フィジカルのみのコンタクトで行われる体ほぐし運動。お互いを意識して協力しながら行うことで、自然と他種目を行う際に和気あいあいとした空気感が作られそうですね。
出典:
http://aobadb.edu-c.pref.miyagi.jp/learning/attach/0310103.pdf
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