はじめに
対決を伴わず、自らの身体的技能を高める事を追求する芸術密度の高いスポーツ分野があります。器械体操はその中のひとつです。器械体操を構成するマット運動は学生にとって地味に感じるかもしれませんが、そこには自己探求の魅力が存在しています。そんなマット運動に焦点を当て、今回は中学実習生にも使える基礎知識の話を致しましょう。
四種類
マット運動の大きな種別は4種類が存在します。それは「前転系(前に転がる)」「後転系(後ろに転がる)」「倒立系(逆立ちを伴う)」「回転系(ひねった回転を加える)」というものです。導入としては肩・背・腰の順でゆっくりと滑らかに転がる動作である「ゆりかご形」から始め、そこから負荷を掛けた練習に発展させます。
前転後転
前転系のマット運動には「前転」「開脚前転」「伸膝前転」「跳び前転」、後転系には「後転」「開脚後転」「伸膝後転」があります。この双方の種別における動作ベクトルは前か後ろで異なりますが、本質的な方法論は類似します。開脚・伸膝の動作は身体の柔軟性が必要となりますので、ストレッチを十分に行っておく事が重要です。前転後転共、回る際に首を引き腹部を見るよう意識する点にコツがあります。
倒立回転
倒立系のマット運動には「倒立」「倒立前転」「後転倒立」「ヘッドスプリング」、回転系には「側方倒立回転」「ロンダート」「前方倒立回転」「前方倒立回転跳び」といったものがあります。倒立系の技の導入部では「棒の自分が天井から吊るされる」というイメージを意識します。回転系(いわゆる側転)の場合はテープやラインを使って「手足が一直線につく」という状況を崩さないよう努めましょう。
まとめ
以上が中学実習生にも使えるマット運動の基本知識でした。理論面を充実させ実際のマット運動に活かしましょう。
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